魔除け
サロンをオープンすると聞いた友達が作ってくれた。
今は椅子の前にかけてあります。
中世ヨーロッパで「魔除けの匂い玉」として作られていたポマンダーというものがあります。
柑橘系の香りとクローブのスパイシーな香りが合わさって、玄関先などに置いておくと良いインテリアになります。
従来の魔除けの意味合いと合わせて前述の防虫効果もあるので、是非興味のある方はご自身で作ってみると良いでしょう。
「魔除け」
オレンジポマンダーとは、クローブを刺したオレンジにスパイスの粉をまぶして乾燥させた香り玉のこと。
フルーツポマンダーとも呼ばれ、レモンなどの柑橘系フルーツやりんごなどで作ることもできますが、香りの高さからオレンジが使われることが多いようです。
クローブ(丁子)は、シナモン・ナツメグ・胡椒と並んで四大香辛料のひとつに数えられる定番のスパイスです。
スパイスのクローブは、チョウジノキと呼ばれるフトモモ科の植物の開花前の花蕾を乾燥させたものです。
原産地はインドネシアで、熱帯の植物であるため日本では栽培が難しいとされています。
生薬や刀剣類のさび止め油として、日本でも古くからなじみのある香辛料ですが、日常生活でクローブを頻繁に使う人はさほど多くありません。
クローブの香りの主成分は「オイゲノール」で、クローブ精油やシナモン油(葉・皮)に多く含有されています。
数あるスパイスの中でも香りは強く、「遠く離れていても香気が感じられる」という意味の百里香という別名があるそうです。(※参考:スパイスのサイエンス P102 武政三男著)
虫が嫌がるニオイという事で、防虫効果を期待して使うことがあります。
「防虫剤」としての利用です。
特にゴキブリが嫌う匂いとして広く知られていて、殺虫成分の含まれた薬剤を使わずに安全に使えるゴキブリ対策として注目されています。
殺虫成分は含みませんので、期待できるのは「忌避効果」のみで、既に自宅内でゴキブリが繁殖してしまっている場合などは効果がありません。
クローブを撒いておけばゴキブリがいなくなるという程の効果は見込めないので注意しましょう!
ポマンダー」は幸運を呼ぶ香りのお守り
そもそも「ポマンダー」とは、ムスクなどの強い香料を練り合わせ、金や象牙の容器にいれたもののことで、古くからお守りや魔除けとして使われていたと言われています。
現代では、ファッションやリラックス、消臭などの目的で使われる香りですが、古代から中世の時代においては、人々の健康や幸せに関わりがあると考えられ、香りは非常に重要な意味を持っていました。
ポマンダーは中世のヨーロッパ、特に16世紀に最も流行ったと言われており、これは当時ヨーロッパでペストが大流行したことが大きく関わっているとのこと。
自分の周りに良い香りを漂わせてバリアーを張ることで病気や不幸を遠ざける、と信じられていたことから、ポマンダーが魔除け・お守りとして使われるようになったと言われています。
このような歴史的背景もあり、現代も欧米では幸運を呼ぶシンボルとしてクリスマスや新年にポマンダーをプレゼントしたり、クリスマスにフルーツポマンダーを飾る習慣が残っているそうです。
オレンジポマンダーの作り方としては、丸ごとのオレンジを使い、まず全体を覆うようにクローブを刺していき、次にたっぷりのスパイスをまぶします。最後にそれを紙袋に入れて風通しの良い場所に吊るし、2〜3週間乾燥させるとできあがります。スパイスの粉はシナモン、オールスパイス、カルダモンなどを好みでブレンドします。
古代エジプトの時代にミイラを保存するための防腐剤としてスパイスが使われていた。このオレンジポマンダーも腐らないのが嬉しいポイントです。
通常、生のフルーツは何ケ月も置いておくと当然腐ってしまいますが、このフルーツポマンダー、中には年単位で腐らないものもあるそうです。
とはいえ、生のオレンジを自然乾燥させて作るので、クローブの量が足りなかったり、気温・湿度共に高い夏場に作ると腐ってしまうこともあるため、空気が乾燥し気温が低くなる秋から冬にかけて作るのがベストです。
クリスマスに向けて作るというのも理にかなっているのかもしれませんね。
香りが長続きするので、タンスやロッカーの中に入れるなど、ポプリやサシェと同様の使い方もできます。